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- グローバルに事業を展開されているキョウデン様ですが、環境問題への取り組みはいかがされているのでしょうか。
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- 具体的にはどのような活動をしていらっしゃるのでしょうか。
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年に一度発行している環境報告書は、ステークホルダーの方のためだけでなく、社員一人一人に会社の行っている活動や取り組み、毎年の成果や次への目標などを知ってもらいたいという意識で発行しています。そのほかにも毎月定期新聞を発行して、「有機溶剤の危険性」や「RoHS指令とは何か」など、コラムで紹介しています。最近はEco検定の受検を奨励していますね。小学生も受験したりしている最近人気の検定ですよ。
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- 化学物質承認管理システム「M-Quick」を導入した背景をお伺いしたいと思います。
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プリント配線板等の製造過程において使用する化学物質や薬品等は、「M-Quick」導入前までどのように管理されていたか教えてください。
そうですね、それまでは紙ベースで管理していました。新たな化学物質を導入したい時は、それを希望する部署がその目的などを申請書に記入し、SDSや技術のカタログと一緒に稟議にかけていました。購買部門→環境部門→技術部門→品証部門と順に承認されて行くのですが、やはり紙ですと今どこの部門までまわっているのかが不明確で、あちこち回って確認したら誰かの机の上で止まったままになっていたことが判明したりと。効率の面で問題になっていましたね。
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- 導入申請には平均でどれくらいかかっていたのでしょう?
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多分、早くても1~2週間かかっていましたね。バラつきがあって、優先度が低いと判断されると、1ヶ月以上、ということもありましたから・・・。 本当に急ぐ時は担当者が書類を持って承認部署を走りまわり、それで半日かかることもありました。SDSやICPデータはお客様からの開示の要求が多いこともあってPDFにしてデータで管理していましたが、今、どういう申請がまわっているのかが書類が手元に来て初めてわかるような、情報を共有できない状態はそろそろ限界かなと感じていました。全てシステム化してワークフローをすっきりさせないと。
化学物質管理で取り扱う情報量の多さや管理する帳票の多様さを考えると、すぐにでもIT化して効率化をはかるべきだと考えていました。 大手システム開発会社に依頼してシステム化の話を進めたことがありますが、弊社の基幹システムとの兼ね合いもあって当時は断念しました。それ以来、導入できるシステムがないか気にしていたのですが、偶然M-Quickの広告をみて問い合わせをしたところ、御社にデモンストレーションに来ていただいて。
今までのレベルで業務の効率化を図っても、それは「改善」にしかならない。私たちは「改善」ではなく、「改革」に取り組むべきだ考えていました。そこで「M-Quick」の導入に踏み切りました。
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- 「M-Quick」を入れて申請はスムーズになりましたか?
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格段にスムーズになりました。パソコン上で承認の過程を共有して見られるので、声を掛け合うこともできますし。まず1ヶ月かかることはなくなりました。3日で全部署の承認が済んだ時は「これは画期的だ」と思いましたね。
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- 管理業務を電子化されてのご感想があれば教えてください。
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導入申請書を始めとする「書類」って、現場の人間が一番把握しておくべき情報なのに、そうするのはなかなか難しいんですよね。導入が済んでしまったら書庫に保管されるだけですから。
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- 先月ISO更新監査をされたとおっしゃっていましたが、M-Quickの活用方法を教えてください。
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はい、ISO9001と14001の統合審査がちょうど終わったところです。当社は製品について、品質面・環境面の双方とも
積極的に管理に取り組んでおります。ISO9001と14001は、その切り口が違うだけで管理項目は共通することも多く、M-Quickを導入することで非常に広い範囲で業務を効率化できました。M-Quickには労働安全衛生も含めた管理項目があり、労働安全は環境管理と同じくらい重要と考えている我々には、そこがシステムで一つになっているのがありがたいですね。
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- こちらも意図していなかったような、応用を利かせた便利な使い方をしてらっしゃるのですね。
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環境影響評価はどのようにやるかは特にガイドラインはないので、企業ごとにルールが違うんですよね。だから、きちっとルールさえ決めてしまえば「M-Quick」ですぐに計算できてしまいました。審査機関の方にはいったいどうやったのかと聞かれましたよ。
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- --その他「M-Quick」を導入してよかった点があればお聞かせいただけますか?
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はい。私どもは国内の法規制、海外の法規制、そしてお客様からの環境配慮製品の要求を踏まえて「M-Quick」を導入したわけですが、
職場での安全確保(例えば保管方法、局所排気装置の要・不要など)を現場に浸透させる
スムーズな情報提供(RoHS指令、REACH、お客様の個別の要求に対応するためにこの製品にはどのような薬品が使われているか、どのような工程を踏んで生産されているか)
ISO認証の運用やPRTRの届出
に役立てています。
今はほぼ「M-Quick」に登録されている情報のみで、そのデータを取り出していろいろな帳票に加工することができています。また、かしこまった難しいシステムではなく、誰にでもわかりやすく使えるところもいいですね。
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- 「M-Quick」の導入で苦労した点や今後の期待度はありますか?
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改善ではなく改革に着手したわけですから。使用目的や使用場所を各部署でいろいろな名前で呼んでいたりして、統一するのはなかなか大変ですし、社内研修などや社内のルールづくりなど、浸透するには少し時間がかかるでしょう。
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- 「M-Quick」の導入を検討しているお客様にアドバイスがあればお願いいたします。
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「M-Quick」は他部署ともコンセンサスをあわせてやっていかなきゃ導入できないシステムですから、その連携をうまく取って行くことが重要。最初は労力がかかりますが、その過程で、社内のルール整備や意志の統一がはかれるのも大きな意味のある改革に繋がると思いますよ。
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